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hirokophone music review vol.1

セルジオメンデス&ブラジル'66 / Stillness

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たくさんのお気に入りの中、やはりhirokophoneのスタートに深く影響したものがいいかなと思い選んだのがコレです。セルジオメンデス、略してセルメン!
私のプロフィールにもある通りhirokophoneという名が生まれた旧職場にて経理の上司に薦められたのがマシュケナダで有名な『セルジオメンデスとブラジル66』というアルバムで、当時ロックばかり聴いていた私には衝撃の世界でした。どんだけ古い音源なのだというくらいくたびれたジャケットのレコード盤を経理の上司は私に貸してくれたんだけれど、聴いた瞬間私はその頃にリリースされたばかりの新譜かと思うくらい新しい音に感じたのです。
ジャケットを見るかぎりセルメン本人はヒゲをはやしてニヤニヤしているだけだし、両脇にキレイどころを2人ばかりしたがえてそのお姉さんたちに歌わせて稼いでいる怪しいおじさんなんだな~と、疑わしい気持ちでいっぱいだったのですがレコードに針を落とした瞬間から『なんてステキな音楽なんだろう~♡』とうっとりしてしまいセルメンのオシャレ音楽ワールドにどっぷりとひたっていったのです。

と、前置きが長くなりましたが(笑)ここで紹介しているのはそのアルバムではなく『スティルネス』という別のアルバムです。セルメンワールドは『ゴージャスでステキ』。でもこの『スティルネス』はなんというかとっても乾いていて素朴。実はこれを書いている今日<とっても乾燥していてよく晴れたいい天気>なのだけれど、まさに今日のこの感じが『スティルネス』の世界。ということで選んでみました。

① Stillness ②Righteous Life ③Chelsea Morning ④Cancao do nosso amor
⑤ Viramundo ⑥Lost in paradise ⑦For what it`s worth ⑧Sometines in winter
⑨ Celebration of the sunrise ⑩Stillness

全編とにかくステキなんだけれど、注目どころは③のチェルシーモーニング。
これはジョニ・ミッチェルさんの曲のカバー。カラッと明るく陽気なチェルシーモーニングになっているんだけれどおそらくジョニミッチェルファンもこれなら納得でしょ!というくらいステキな世界です。特に曲の最後にちらっと登場するハンドクラップがとても気持ちよくて曲が終わってしまうギリギリ最後までノセてくれます。親切だなぁ~セルメンは!
それから⑦はBuffalo Springfieldで有名な曲ですね~。これもスティーブンスティルスファンでも絶対納得のアレンジだと思うんです。と言いますかこれとってもヤバいんです!騙されたと思って是非一度聴いてみるといいですヨ。私のアルバム『スーパーカー』の〈急いで帰ろう〉も実はひそかにこういった世界を目指していたのだけれどなかなか到達できるものではないぞと・・・また今後別曲でチャレンジしたいと思ってるのです。
⑧のsometime in winter。これはいきなりセルメンのいやらしい歌声で始まり若干怯みますが(笑)あれよあれよとどんどん展開していくところがとってもカッコよくてそしてとっても品がある一曲なんです。とてもいいよ♪
前後するけれど②のライチャスライフもフォーキーで今日みたいな乾燥の日にはもってこいの曲だし、⑥のロストインパラダイスなんてこんな曲で朝目覚めたらどんなにステキだろうって思うよきっと。山小屋というか干し草のベッドというか、そういったところで小さな窓からスーッと朝日が差し込んでくるような、自分が西部劇の登場人物になったかのような錯覚に陥るかも!あっ西部劇でなくハイジかな(笑)

全体的にサラッとしているのでインパクト勝負というよりかは『七年殺し系』のスティルネスですから、これを読んで『じゃあ聴いてみるか』と思われた方は、はじめは『ふ~ん』て感じだと思うけれどいつしか気づけばヘビロテってパターンになっているはずだと思います。うふふ。

乾いた日用にオススメの一枚。自分の周りがちょっとステキ空間になるハズです。

Let's セルメン!

2012.1.13 by hirokophone

hirokophone music review vol.2

セルジオメンデス&ブラジル'66 / Live at Expo‘70

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Vol.2です。せっかくなのでvol.1に続いて『セルメン』いってみたいと思います!
このアルバムはタイトルの通りライブ盤。Expo’70、つまり大阪万博での演奏音源なのです。万博ってライブ会場もあったんですね。これはもうYOU TUBEというより是非ともドラえもんにタイムマシーンに乗せてもらい当時のこの白熱した空気感までもごっぞりと体感してみたいものです。

さて、中身ですがこれライブ盤というよりもコンサート盤と言った方が雰囲気に近いかもしれません。想像だけれど観客はおそらく全員キチンと着席していて、そしてとっても礼儀正しく聴いている感じ、そんな印象です。
かのセルメンが万博に来るぞ!と、おそらくファンからしたらベルリンフィル来日くらいの勢いだったんじゃないでしょうか。
あくまで私の想像ですけれど(笑)もしかしてカットされた部分に激しく観客の叫び声とか入っているかもしれないですけれど、このライブ盤、終始静かに演奏に耳を傾けて一音も聴き逃したくないといった静なるパワーみたいなものが客席の静けさからむ~んと出ているようだし、証拠に一曲一曲終わるとワーッ!とものすごい盛大な拍手があがるんだけれど次の曲が始まるとあわててピタッと拍手をやめて演奏に集中する、そんな感じ。

かたやセルメンたち、お国でのコンサートではしょっぱなから客はグリグリ踊りだすでしょうから逆にビシッと着席してギュンギュンに演奏を聴かれるなんてとっても妙な感じがしたんじゃないでしょうか。でも曲間で丁寧にトークしていたりして会場の状況をすごく前向きにとらえているように感じられます。
それにいくつか覚えてきた日本語を披露したり、人気曲をそろえたり、後半はいやでも楽しくノリノリになってしまうような仕掛けを考えていたりしていてちゃんとショーを作り込んで来日したんだよって感じ。ん~、セルメンはやさしいなぁ! いやまてよ、もしかしてやさしいのではなくいやらしいのかもしれないなぁ(笑)

①What the world needs now/Pretty world  ②Going out of my head ③To say goodbye ④The dock of the bay ⑤Daytripper ⑥Fool on the hill ⑦Scarborough fair
⑧Norwegian wood  ⑨Mas que nada

一曲目。スタジオ盤の音源だとお二人の女性ボーカルもステキにキレイに歌っていますが、ブラジル人の生バンドが背後からグリグリ攻めてきたらそりゃテンションもあがっちゃうワヨと言わんばかり、特にラニホールさんなんかけっこう熱唱系でカワイイです。その後セルメンがまったりと『おーきにぃ~』とMCで言うのですがもちろん笑いを取りつつも『おー今セルメンがおおきにって言ったぞ!』と、おおきにもメモってとっておけぐらいの観客のオーラを勝手に感じ取ってみるのも一興です(笑)

②のGoing out of my headはスタジオテイクよりも歌がワイルドでかっこいいしピアノもすごくよく聴けてとてもいいい感じ♪ ③のTo say goodbyeはまたしてもセルメンがいやらしい声で歌いだしますが途中からすぐにラニさんに変わりますので安心して大丈夫(笑)

そしてそして。④のドッグオブザベイと⑤のデイトリッパー。オーティスレディングで有名な曲、そしてデイトリッパーはみんな大好きビートルズの曲。
もうね、この2曲のカバーがすっごくて私これを初めて聴いたときの衝撃と言ったらもうド肝を抜かれたというか、いわゆる『まじハンパない』ってヤツです。この2曲のために購入しても損はないです、本当に。

お次のフールオンザヒルは、これが生演奏かって思うくらいキレイでキラキラしていて、上手にステキに演奏ができるってやっぱり大切だなと痛感する一曲です。観客はこんなの生演奏で聴けてさぞかしウットリだったと思います。

⑦のスカボローフェアはサイモン&ガーファンクル。イントロからいきなりかっこいいのですが全体的にもとても上品でハイソな感じがしてドキドキします。⑧のノルウェーの森はずばり『ビートルズがザ・ブラジル』って感じで楽しいですヨ。

そして最後のマシュケナダ。これはセルメン本人がイントロから叫びまくっているしテンポ早目でかっこいいし、中盤からベースがグルングルンにグルーヴしながらどんどん走っていくところがもうビックリするくらいかっこよくて鳥肌が立ちます。
こんな生演奏を聴かせられておそらく観客の中にはスゴすぎて涙ちょちょぎれちゃった人かなりいたと思いますし、少なくとも一人くらいは確実に鼻血出しちゃった方いるんじゃないでしょうか。賭けてもいい!絶対いるハズ!
もしも『はい、あの時はもぅ~、おもいっきり鼻血ブーしましたヨ』という方がこれを読んでいたら是非連絡下さい。お友達になりましょう。お待ちしております。

といった感じでとても熱い音源のLive at the EXPO'70。全体的に通常のスタジオ盤よりもピアノがよく聴こえるし、とにかくいちいちカッコイイ!音もいいし聴きやすいライブ盤です。
これを書いている今日、窓の外は雪景色だけれど室内はベリベリホット♪寒さを吹き飛ばすにもうってつけのセルメンワールド、おススメです。

Let`s セルメンagain!

2012.1.24 by hirokophone

hirokophone music review vol.3

テデスキトラックスバンド/ Revelator

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Vol.3はググッと新しい音源です。
しかし本当に去年リリースしたアルバムなんだろうかと疑ってしまうくらいの「古い音」。ウッドストックとかフィルモアとか、70年代に大活躍していたバントのひとつがうっかりのび太の机の引出しの中に落っこちてしまい、間違えてたどり着いたのが2011年だった・・・みたいなバンド、テデスキトラックスバンドです。

古き良き音楽のエッセンスを残し今の空気と程よくブレンドされた云々・・・なんかじゃなくてズバリ純正オイルですと言いますか、う~ん、好きな音を信じて愛してやまないというか、なんというか、それが完璧な演奏力で裏付けされていてね、正直感動したアルバムなのです。

私がこのバンドを知ったのはハービーハンコックさんのイマジンプロジェクトというコンピレーションアルバムを聴いたのがきっかけ。この中のspace captainという曲が素晴らしくて歌とギターは誰なんだろうとライナーを見たらfeat.Suzan Tedeschi&Derek Trucksとあったの。謎めいた名前の人らだなぁ~と調べていってたどりついたわけです。

そしたら来日するということ。これは行かねばと2012年2月8日@渋谷公会堂の来日コンサートにもう鼻息ふんふんの気持ちバリバリで行ってきたのですがもう『ひょえ~!』って感じ(笑)CDだけでも素晴らしいバンドなんだけれどライブがタダゴトではない、コンサートフライヤーのキャッチも『総勢11名の超絶技巧集団』とうたわれており正にその通りなのでした!

そう、メンバーが11人なんです。ボーカルギターは紅一点スーザンテデスキさん。それから今をときめく3大ギタリストの一人といわれているデレクトラックスさん。このお二人がご夫婦。そしてベーシストは現オールマンブラザースバンドのベーシスト・オテイルさん。トロンボーン・サックス・トランペットのホーンチームがいて男性コーラスが2人、鍵盤の方は渋谷公会堂でレスリースピーカーをグリグリ回しつつピアノ弾き弾きフルートまで吹いていたし、それに加えてツインドラムという豪快さ。
トロンボーンの人がスキャットで歌いながらメンバー紹介をしたり(この歌がまたものすっごくかっこいいのです)サックスとベースがドラムの後ろに回ってコンガを叩いていたり袖の方まで移動して踊っていたりととにかく全員が芸達者の全員主役そして全員自由。

で、3大ギタリストのひとりであるデレクさんはというと、妻のそばにそっと寄り添ったままむ~んと弾いている・・・。のけ反ったりステージのギリギリ前まで出てきたりしな~い。とにかく地味っ。てゆーかまるで家で弾いてるみたいだったけれど気がつくとどエラいところに観客を持っていくというか、ちょっとホントにおそるべしな人でした。

紅一点のテデスキさんはこんなスゴ腕の男たちを引き連れてギターを弾き歌っているわけですが、この位置をこなせる人ってそうそういないんじゃなかろうか。かっこいいナァ!
CDではあまり感じなかったんだけれどライブだとかつてのCOLD BLOODっぽい感じ。COLD BLOODがカバーしていたBILL WITHERSの「Kissing my love」を曲中にカバーしたりしていたので本人たちもたぶん好きなんだろうなと思いました。
というワケで生演奏が本当にタダゴトではないから次に来日することがあれば是非行くことをオススメしまーす!

おっと、CD紹介から話がそれてしまいましたので本編に戻りましょう!


①Come see about me   ②Don’t let me slide  ③Midnight in Harlem  
④Bound for glory  ⑤Simple Things  ⑥Until you remember
⑦ball and chain  ⑧These walls ⑨Learn how to love  ⑩Shrimp and grits ⑪Love has something else to say ⑫Shelter


①come see about meと②のdon’t let me slide。
とってもアメリカっぽいなぁ~と感じる曲です。広大な土地で生まれる曲はこうなのだろうなと、かつて米軍パイロットのクリスというベーシスト(何屋だっ?って感じですが)の作る曲を聴いた時に『あぁ、空からの景色が日常の人の作る曲ってこうかぁ~デッカイなぁ~』とおぉ!と思ったことがありましたが、そういった意味での広大な土地で出来た曲感がするというか~横広というか・・・ん~。なんというかまぁいきなりカッチョいいのよいきなり!

③Midnight in Harlem これはアルバム内で一番好きな曲です。コンサートでも観客がワーッとなっていたからみんなも好きなんだね。き~もちいい曲だよ!オルガンとギターが本当に気持ちいいです。涼やかだし。⑤のsimple thingsと⑧のthe wallsも涼やか系。

④Bound for gloryこれもスゴく好き。サビとかジ~ンと感動しちゃうんだよねっ。ホーンは気持ちいいし歌は最高だし!そう、先ほどから気持ちいいと連呼していますが、このバンドはとても気持ちがいいのです。
⑥のuntil you rememberはライブでスゴかった曲です。もうオーティスレディングの曲のカバーが始まったかと思ったくらい古くイカしてました。

⑦ball and chain。ジャニスジョプリンにも同じタイトルの有名曲がありますが、テデスキバンドのボールアンドチェーンも当時にヒットした曲みたいに古カッコイイ。イントロからいきなり古いです。(あっ古いとは最上級のほめ言葉ですヨ!)⑨learn how to loveはハードでワイルド。フロント二人がギターだもんね、これくらいやるさ!ってね。テデスキさんのギターも相当です♪

⑩shrimp and grits エビはわかるけどグリッツってなんだろ~と思って調べてみたらシュリンプアンドグリッツというアメリカ南部のお料理だそうです。朝食系。ズバリ我々の納豆みたいなものなのでしょうかねぇ。うぬぬ。この曲ワンコードの歌なしのインスト。ちょこっとけだるい感じ。もしかしてシュリンプアンドグリッツってド定番で『ま~たこれかよぉ~・・・』的なメニューなんだろうか、そんなことを連想する曲です。全然違うって?!(笑)

⑪Love has something else to say かっこいい!コールドブラッドっぽくもありSly &the family stoneの香りもします。コンサートのアンコールでスライメドレー(完コピで痛快だった!)をやっていたからかなり好きなのでしょう。曲作りやアレンジをマネをしている感じはまったくなく、どちらかというと好きさがにじみ出てるといった風です。いいな、そういうの。私も何かをにじみだしたいと思いますっ。にじみでろ!ヒロコフォン!

最後のshelter。これもまたアメリカの土地は広いだろうなぁ~と連想してしまう、そしてスーザン歌うまいなぁ~。ちょこっと泣き系なんだけれど歌を泣かずに泣かせるというか、訴えずに訴えるというか、どうやって歌うんだろうこういう歌い方って。夕暮れに聴くとドンピシャでキューッとするヨ。


という感じのテデスキトラックスバンドです。流行りの音もステキなんだけれど、好きな音を信じてつらぬいている彼らの楽しい演奏を聴くと私はとても背中を押されたような気分になれるのです。
そしてこんなにスゴい演奏をサラリとやってのけている背景には間違いなくひたむきな練習があり、でもその行き先が楽しさ気持ちよさっていうところがコンダラ系なのにイカしているゼ!と、本当に感動しちゃうのです。

hirokophone music review。Vol.3も相当おススメです。

みんなもレッツテデスキ!

2012.2.21 by hirokophone